薬事法と関連性を持っている法律
薬機法は、一般的にはまだ聞き慣れない言葉で、薬事法と関連性を持っている法律です。
薬事法といえば、薬や化粧品に関わる法律として、幅広く多くの人達に知られています。
勿論、法律の詳細については、業界に関わる人であったり専門家でなければ詳しくは分からないでしょう。
しかし、法律の名前や存在が知られているという意味では、知名度の高い法律だと認知されています。
一方の薬機法は、薬事法に変わる法律で、医薬品や医療機器が対象となっているのが特徴です。
医薬品と医療機器等の品質、その有効性や安全確保に関わる法律ですが、正式名称は長いので薬機法と略されます。
これは、必ずしも正式な表記とはいえませんが、正式名称を損ねない略のしかたなので、今後は世間的に定着すると考えられます。
当面の問題は、薬事法との違いを理解する必要性で、法律が変わったと知る機会も欠かせません。
対象の製品や種類が増えて対応しきれなくなった
この法律が誕生した背景には、対象の製品や種類が続々と増えて、対応しきれなくなったことが挙げられます。
具体的には、元々法律が取り扱う幅が広く、十分に対応が行き届いていないケースもあった、というのが切っ掛けの一つです。
例えば、薬機法の正式名称には化粧品が含まれていませんが、これも法律が改正されたことと関係しています。
今までの法律では、薬以外の薬効や過剰な謳い文句が大きな問題で、度々処罰される機会が発生していました。
当然ながら、広告はこれからも規制の対象となりますが、その基準が厳しくより明確になった印象です。
薬であれば、今まで通り効果を謳ったり効能を表現することが出来ます。
所が、化粧品は薬ではありませんから、今後効果や効能を謳えばもれなく規制、そして処罰の対象となります。
従来でも、消費者に不利益をもたらす化粧品の広告が打ち出されていれば、その度に対応が行なわれていました。
薬のような広告や宣伝を打ち出せば処罰される
ただ、見逃されたり処罰が難しいケースがあったので、薬機法の登場は必然的な結果だと結論付けられます。
健康食品の方も、化粧品と同じく規制の対象で、薬のような広告や宣伝を打ち出せば処罰されます。
こちらも従来から罰則はありましたが、今回の法改正は消費者を守る明確な意思の表れで、第一歩を歩み始めたといった所でしょう。
薬機法の改正目的には、将来的に発展する再生医療であったり、最新の治療に対応することも含まれます。
つまり、古い薬事法では対応に限界が見られ、改正に適したタイミングだと判断された結果、法律が新しくなったといえます。
消費者には、服用したり肌に付ける物が厳しく規制されるので、より安心して安全に使えるようになる期待感があります。
法律が厳格に運用される、といった前提は不可欠ですが、期待感は十分でそれに応えてもらえる可能性が存在します。
従来から比較的規制が厳しい薬は、法改正で特に影響を受けることはありませんが、薬に分類されない製品は別です。
広告を打ち出すケースでは、表現方法が評価されるようになっているので、少しでも薬と勘違いさせる要因があれば処罰されます。
成分や効能の標榜の取り締まりにも至っている
また、法改正の効果は広告だけではなく、成分や効能の標榜の取り締まりにも至っています。
サプリメントは、分類的には健康食品なので、含まれている成分や効能を表記してしまうと、医薬品の規制に抵触しかねません。
薬事法時代なら、微妙な言い回しは黙認されていましたが、法改正後はもっと厳しくなると思われます。
どこまで表現が認められるか、それは今後の流れによりますから、基準がハッキリとするまでは表現内容に注意しておいた方が無難です。
効能の標榜には成分も関係していますが、医薬成分に認められる物が入っていると、医薬品と見なされ処罰される恐れが強まります。
国内製造品であれば、このようなミスが発生することは稀でしょうが、輸入品や海外製品となれば注意が必要です。
海外品かつ医薬品ではなくても、日本国内に入れば薬の成分に該当する、そういった成分があってもおかしくないでしょう。
サプリメントや化粧品を取り扱う場合は、配合される成分に問題がないかを確かめ、明確に医薬品ではないとチェックすることが大切です。
製造や販売を行う側に厳しい法律
仮に成分上の疑念が生じた時は、販売を一時的に中止したり、成分を再確認してから改めて取り扱うことが肝心となります。
逆に、消費者が特定の製品を薬のように思ったり、広告や宣伝内容に問題が感じられた場合は、積極的に法律の管轄である厚労省に伝えると効果的です。
厚労省は、報告に基づいて法律と照らし合わせたり、製品に問題はないか確認してから適切な対応を行うものです。
問題があると判断されれば、販売は中止されて今後の対応に結び付きますし、反対に問題がなければ販売は続行しますから、消費者は安心して製品を手にすることが出来ます。
どちらかといえば、製造や販売を行う側に厳しい法律なので、製品の表記が分かりやすくなったり、不安が解消されて適切な製品の選択が行えるように変わります。