日本赤十字社の信頼度を気にする人々

支援

1.日本赤十字社ってどんな団体なの?

大災害が全国各地で頻発している昨今、日本赤十字社をはじめ各団体への寄付が適正に被災者の元に届けられ、生活の立て直しや復興に一助になっているのかどうか気に掛ける人々が増えました。

インターネット上で虚実入り混じった様々な情報が氾濫していることで、寄付金の行方が気になって検索したとたんに日赤を含めすべての団体が怪しげに思えてきて、寄付金の中のかなりの金額が各団体の収益になっているのではと疑うようになったという声も聞かれます。

日赤こと日本赤十字社は日本赤十字社法という法律に基づいて設立されている認可法人で、1952年(昭和27年)に設置されました。
団体としての歴史は古く1877年(明治10年)に西南戦争の傷病者救護のために創設された博愛社と呼ばれる団体が元になっており、1886年(明治19年)に日本がジュネーブ条約に参加したことから翌年に現在の名称になって現在に至ります。

赤十字に関する諸条約や赤十字国際会議で決められた様々な原則の精神に則って赤十字が理想としている人道的任務の達成が目的になっており、人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性の7つが基本原則です。

日本のみならず世界各国の赤十字がそれら7つの基本原則の理念の元に活動して戦争や紛争犠牲者の救援のほか被災者の救援や医療・保健活動、社会福祉事業等を積極的に行っています。

2.日本赤十字社の旗の由来

一目見たらすぐにそれとわかる赤十字の標章はスイスの国旗と配色が逆になっていますが、たまたまそうなったのではなく、国際赤十字を創設したアンリ・デュナンがスイス人だったことから敬意を込めて祖国の国旗の配色を変えたデザインになりました。

認可法人としての日本赤十字社は災害救助法の規定によって行政が行うべき災害救援などを国や地方公共団体に協力し、連携して救援活動等を実行することから、行政の活動をサポートする役割も担っています。

行政機関ではないものの、日赤の活動は行政に準じるものであることを国が認めているといった形で行われており、それでも国の組織ではなく民間団体です。
それもあって、被災地に寄付を行いたいと考えた場合、ほかの団体ではなく日赤にするほうが安心できるという声が少なくない要因になっています。

さらに税金のことを考えた場合、日赤への寄付は所得税や住民税の控除のほか相続税の非課税という税制上の優遇措置まで受けられることから、税金を多く納めている個人ほど日赤への寄付が望ましいということになります。

税金

3.税制上の優遇措置は寄付をした時期問わず適用される

優遇措置は寄付をした時期を問わずに適用される上、寄付金の額に応じて所得税・住民税に課せられる税額から一定の額が差し引かれ、相続税の非課税では相続財産を寄付することで相続した人が納めなくてはならない相続税の課税価格に寄付金の分だけ算入されずに済みます。

法人が寄付する場合は日赤の事業全般にわたる寄付や財務大臣の指定を受けた事業へ行った寄付金に対しての法人税の控除が受けられるという恩恵に浴せます。

日本赤十字社は名称に「社」と付いていますが会員と協力会員で構成されており、入社試験のようなものはなく赤十字の理念に賛同する人であればどんな立場の人でも日赤の会員や協力会員になれるという特徴があります。

会費2000円以上を納めて会員になることで日赤の運営業務に携わることも可能になるとされ、少なからぬ人々が赤十字の理念の元、より良い活動を行っていくために勤しんでいます。

4.公開されていない部分でお金が使われていることを心配する向きも・・・・

活動に関する決算報告や収支監査報告などがホームページで公開されている点も信用度が高いとして、納得して寄付をする人が少なくないとされる日赤ですが、東日本大震災など未曾有の災害に見舞われてしまった場所の復興がなかなか進まないこともあって、公開されていない部分でお金が使われていることを心配する向きもあります。

赤十字としての活動をしっかり行っているのかどうかも疑う人が少なからず存在しますが、国際的な救護活動や献血などの血液事業、社会福祉活動など日赤が行っている活動はSNSなどでも常に情報発信されており、気になる人はこまめにチェックしておくと良いと言われます。

集められた寄付は日本国内で起こった各地の震災や様々な災害への義援金として救護活動などに役立てられ、一部の寄付金は海外での救護活動や開発協力活動などにも使われています。

近年では報道などでも連日話題になったミャンマーで迫害された少数民族ロヒンギャに対する緊急医療支援も日本ユニセフなどと同様に行っており、バングラデシュに難民が流入するようになって以降、現地にいち早く先遣隊を送って支援活動を開始したとされます。

日赤のそういった活動はテレビの報道番組などでも目にすることができるものの、意識して見なければ日赤の活動とわからないケースが多いだけに、そういった報道自体に意識的に接することがない人々にはわかりにくいままとなっている点が損とも言えます。

日本赤十字社は人々が行った寄付以上の働きをしていると考えておくほうが、良いと言えます。

タイトルとURLをコピーしました